ロックバンドのBLANKEY JET CITYの曲として『悪いひとたち』がある。これは非常に優れた楽曲である。僕は大きな感銘を受けた。

僕はこの曲の歌詞の解釈は一通りしかないと思っている。多様な解釈ということはできないはずだ。

この曲が序盤で語っていることは人類の歴史である。悪い人たちとは、力を持ち、栄えた民族や宗教、あるいは国家のことだ。それらが長い時間をかけて弱い存在を駆逐していった結果として現代の世界がある、というのがこの歌の世界観である。

それはとても無情な世界観だ。善とか悪とかは関係ない。ともかく弱い存在は消えてしまったので、彼らはもう被害者として「悪いひとたち」を糾弾することはできなくなってしまった。そのため「悪いひとたち」は誰からも責められることなく、平然とのさばっている。それが浅井健一の物の見方である。

歌詞は途中から段々と自暴自棄の様相を呈していく。それはなぜだろうか。

それは、現在生きている我々もまた「悪いひとたち」の子孫であるという自覚から来ている。僕はもちろん、浅井健一も、このブログ記事を読んでいるあなたもまた「悪いひとたち」の子孫なのである。それがこの曲を作った人の物の見方だ。

浅井健一の純粋な心はそれに耐えられない。だから彼の歌は徐々に自暴自棄になっていくのである。それはとても悲しいことだ。

この記事は以上である。

ちなみに僕はこの曲から影響を受けて、ボイスドラマ「ミコとトウカ」の第三話を作った。興味を持った人は聞いてみてほしい。