2025年の記事
全44件
2025年
アイロニーの遡及の性質について
僕は今ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』を読んでいる。新潮文庫の上巻でP114まできた。ここまで読んで考えたことを記事にまとめようと思う。
続きを読む長編小説『アラタ』を発表しました
自作の『アラタ』を公開しました。約10万字の長編小説です。よろしければお読みください。以上
続きを読む役に立つ
世間では小説が売れていないらしい。日本ではどんどん小説の売り上げが下がっていっているという事実がある。そんな中で小説家として商業デビューをはたし、自作を売るために僕は何をすればよいのか?
続きを読む質問に質問で返すのは失礼ではない
相手の質問に対してこちらが質問で返すのは失礼な行為ではない。むしろまっとうな態度である。なぜなら質問とは「俺にお前のものをよこせ」と要求する行為であり、つまり失礼だからである。
続きを読むエビデンスが存在しないが正しい知識
この世には「エビデンスが現在存在せず、今後も決して存在することはないが、正しい知識」というものがある。たとえば村上春樹の『かえるくん、東京を救う』はフランツ・カフカの『変身』を土台にして書かれているというのは、文学の…
続きを読むメタファーの構造
前回の記事からの続きである。メタファーというのは電子メールのようなものかもしれない。ある世界から別世界への言伝。ある世界に存在する事物なり人なりから一方的に送られてくるメッセージがメタファーであり、それにはスマートフ…
続きを読む無について考えている
僕は書くべき原稿がない状態になった。最低でもこれから一ヶ月は何も書かないと決めている。それで何をしているかというと、ともかく無について考えている。
続きを読む円城塔賞向けに三本の小説を書きました
僕は三本の短編小説を書き、カクヨムに投稿しました。いずれも20分で読める内容です。よければお読みください。「円城塔賞」のタグはカクヨムコンが開始されたら付けることにします。
続きを読む難しいことを易しいことに翻訳する力
作家が小説を書くに当たって必要とされる能力のひとつに、難しいことを易しいことに翻訳するということがある。文学上の真理はおうおうにして難しい。
続きを読む継承というテーマ
僕は今までに継承というテーマを書いた作品をいくつか見てきた。村上春樹の小説『街とその不確かな壁』、ジブリの映画『君たちはどう生きるか』、ジョン・コナリーの小説『失われたものたちの本』、サトクリフの小説『第九軍団のワシ…
続きを読む影と鏡像8
前回の記事では左右関係を俯瞰して述べるということをした。影と鏡像7ここでは俯瞰という視点からではなく、自分自身の視点から、つまり主観で見たときに左右関係はどう目に映るのかということを述べたい。
続きを読む母性について
ここ10年ほどで母性という概念がだいぶ積極的にオタク界のコンテンツで取り上げられている。代表例は『エヴァンゲリオン新劇場版』だろう。
続きを読む話中話に関する考察
僕は『高野書店』という短編で話中話を無理やり改造してみせた。正道ではなく邪道の話中話をそこではくりひろげた。僕は話中話という構造に興味がある。
続きを読む自由はない
人に自由はない。たとえば僕は小説を執筆する際はいつも意識的に考えることをやめて、無意識から言葉をとりだしてくることにのみ集中しているが、とすると僕の執筆行為は自身の無意識に支配されていることになる。
続きを読む需要に応える
前回の記事の続きである。魂とは何か2僕は先日、佐藤弘夫の『人は死んだらどこへ行けばいいのか: 現代の彼岸を歩く』という本を読んだ。
続きを読むたった一文字でウェブ小説の良し悪しを判別する方法
今回はたった一文字を読むだけでウェブ小説の良し悪しを判別する方法をみなさんに伝授しようと思う。さて、原稿用紙に書く文章は、段落の先頭において字下げをするべきである。
続きを読む魂とは何か2
前回の記事の続きである。これまでの議論をふりかえってみると次のようなことがわかる。すなわち霊とか魂とかが意味を持ったものとして立ち上がってくるためには、背景や文脈が必須だということである。
続きを読む魂とは何か
霊とか魂とかいう話は、一言で言うならペテンである。人は死ねばそれきりであり、まったくの無になる。そこから先の世界は存在しない。
続きを読むプランBを考える
僕は今小説家になるべく新人賞に原稿を出すということを続けている。しかし僕もいい加減かなりの歳だし、このまま作家になれないという可能性についても検討しなければならない。
続きを読む人に物を教えることは可能なのだろうか
現代において人が人に物を教えることは可能なのだろうか。僕は最近、ある人からDiscord上でPDFファイルを渡された。小説を書いたので読んでほしいのだと言う。
続きを読む本屋が完全に消滅するとしてもあなたはプロの小説家になりたいか
いずれ日本から本屋が完全に消滅するかもしれない。街から本屋が消えて、誰も本屋にいかない日がやってくるかもしれない。仮にその日が今日だとしよう。
続きを読む物語という文体
僕の記憶にきざまれている一文として、次のようなものがある。これはレイモンド・カーヴァーの短編小説である『ささやかだけれど、役に立つこと』の終盤の一文だ。
続きを読む僕は文学を書くことに興味がないようだ
僕の作品が「さなコン」で落選した。正確には最終選考の候補に残ることができなかった。そこで僕は色々と考えさせられた。やっぱりコンテストというのは選考委員の考えていることを当てるゲームでしかないな、と痛感させられた。
続きを読む万人受けに関する試論
しばらく前に僕は「さなコン」というウェブ小説のコンテストに自作を投稿した。それが次にかかげたリンクのもので、「遠くへ」という短編小説なのだが、これがなぜかけっこうな数の人にウケた。
続きを読む利他はくだらない
ここしばらく僕はThe Birthdayというロックバンドの『誰かが』という曲を聴いていた。ずっとくりかえし聴いていたので、たぶん五十回は再生していると思う。
続きを読む『レキシントンの幽霊』を読む
村上春樹の『レキシントンの幽霊』という短編を再読した。それについて書く。『レキシントンの幽霊』はかなり面白い小説だ。ただ、『武蔵境のありくい』や『かえるくん、東京を救う』のように鋭いテーマやメッセージといったものは何もない作品である。
続きを読む『武蔵境のありくい』を読む
村上春樹の『夏帆』と『武蔵境のありくい』を読んだ。それについて書く。『夏帆』は『武蔵境のありくい』の開始点を書いただけの短い作品なので、割とそれ単体の面白さはどうでもいい。
続きを読む『ドン・キホーテ』の愚者像を掘り下げる
以前別の記事でも述べたことだが、僕は図らずも自作の長編小説でドン・キホーテ的な人物を描いていた。それは常に空想を続ける人間だ。
続きを読む『秘密』を読む
谷崎潤一郎の『秘密』を読んだ。それについて書く。まずは話の大枠を述べよう。ヒロインと主人公の関係性が結末で解消していくのは、主人公が見るなの禁を犯したからだととらえられる。
続きを読む第三の道
僕はこれまでさまざまな文体の小説を読んできた。その中でもっともエンターテイメント的な文体だと思ったのは三島由紀夫の『豊饒の海』だ。
続きを読む審美眼の持つ性質
審美眼には二つの性質があると僕は思う。ひとつは、審美眼が高い者は程度の低い芸術を嫌うということ。もうひとつは、見巧者の見解はそうでない者には寸毫も理解できない、ということだ。
続きを読む影と鏡像7
今日は影と鏡像のタグをつけた自分の記事を読み直してみた。読み直して驚かされたのは、あまり論理的に書かれていないということである。
続きを読む『悪いひとたち』を聴く
ロックバンドのBLANKEY JET CITYの曲として『悪いひとたち』がある。これは非常に優れた楽曲である。僕は大きな感銘を受けた。
続きを読む今、我々は何を物語に描くべきか
僕は作家志望の人間だ。自作を書いて、小説の賞の公募に送っている。ただ最近、実力がついたのでかえって不安になってきたことがある。
続きを読む『古事記』を読む3
僕はふたたび『古事記』の現代語訳をはじめから読んでいる。やっぱり良いなと思う。今回特に目を奪われるのは左右だ。左右というモチーフが本当に面白い。
続きを読む空想について
小説野性時代新人賞に投稿する予定の長編小説ができあがった。この作品を書き上げたのは僕にとってとてもよい体験になった。非常に勉強になったからだ。
続きを読む芸術の鑑賞力を高めるコツ
今日は学びがあった。カクヨムの公式Discordサーバーを眺めていたら、辛口OKで自作の小説の感想を募集している人がいたので、僕はそれを読んで感想をつけてみた。
続きを読む乗り物というモチーフ
自動車・電車・飛行機などの乗り物は物語における強力なモチーフである。そこに入っていると人は静止したまま動くことができる。
続きを読む『アメリカの鱒釣り』を読む2
前回に続けてブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を読む。『アメリカの鱒釣り』には47の短編が収録されているが、その中でずば抜けて面白いものは『<アメリカの鱒釣りホテル> 二〇八号室』である。
続きを読む『アメリカの鱒釣り』を読む
ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を一読した。面白かった。しかし、滅茶苦茶な本であると思った。とりあえず第一回目の読書会が今日なので、解説可能なところだけ書いておこうと思う。
続きを読む物語について語る物語
僕が最終的にやりたいのは物語を十全に語った物語だ。物語の生態というべきものがそこでは明らかにされるだろう。それも説明的に物語とは何かを語るのではなく、物語が生まれてからどのように発展していき、他の物語とどのように結合…
続きを読むミゲル・デ・セルバンテスを救出せよ
僕はセルバンテスに愛憎相半ばするところがある。やつを倒したいという思いもあれば、ぜひとも救わなければならないという思いもある。
続きを読むなぜ物語の最大のテーマは物語なのか
ミゲル・デ・セルバンテスの最大の功績は、「物語は物語をテーマにするときに最大の力を発揮する」という定理を唱え、実証した点にある。
続きを読む慈悲・慈愛・母性の三位一体論
デウス・エクス・マキナ、すなわちそれを出しさえすれば一挙に物語が解決する装置として、主人公の自己犠牲というものがある。自己犠牲は主人公がクライマックスで放つ最終兵器であり、それによってすべての困難が解決される。
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