いずれ日本から本屋が完全に消滅するかもしれない。街から本屋が消えて、誰も本屋にいかない日がやってくるかもしれない。
仮にその日が今日だとしよう。突然その日がやってきたのだ。あなたは以前からプロの小説家になりたいと思い努力を重ねてきた。さて、本屋が消滅したにもかかわらずあなたはプロの小説家になりたいだろうか? 言い換えると、大手の出版社から小説を出したいだろうか?
そうしたい、と言える人の気持ちが僕にはわからない。無論、本屋がゼロになってもAmazonのような通販サイトは残るだろうから、読者はそこで本を買えるだろう。出版社がそこに本を並べて売ってもらうことは可能だろう。
ただ、そこまでいくともはや商業出版の意味が薄れていく。素人が本を印刷して店先に並べている状態とあまり変わらない。なぜならウェブサイトだけでは本を手に持ったときの体験が消費者に伝わらないからだ。
そういう状態になると、おそらく新人はすごく不利になるだろう。ネームバリューがないので全然売れなくなる。にもかかわらず苦労して新人賞を取る意味が僕にはわからない。
重要なのは、実際の状況は今それに近いものに向かっていってる、ということだ。さすがに本屋がまったくのゼロになるとは思えないが、本屋およびそこに本を並べる出版社の影響力が低下しているということは間違いないだろう。
では作家志望の人は今何をするべきなのか?
僕の考えでは、今の時代は作家志望の人はみんなYoutuberになるべきだ。形態は実写でもVtuberでもどちらでもいいと思う。作家志望の人はYoutuberとしてまず成功してから、出版社の仲介を挟まずに、直接視聴者に向けて自分の作品を売る。それが望ましい小説家の在り方だろう。そう僕は思う。それが今の時代の正道であり、たとえば小説家になるために出版社の新人賞に原稿を出すというのは、邪道である。筋としては悪いやり方だと思う。
ひるがえって自分自身のことを語ると、なんと僕は小説家になるために出版社の新人賞に原稿を出している。筋の悪いやり方をしている。本質でない道を選びとっている。ひょっとすると僕は頭が悪いのかもしれない。
ここで言い訳をすると、僕は人から嫌われる。子供時代から、子供にも大人にも嫌われてきた。もっと言うといじめを受けたし、友達もできなかった。学校にいると話し相手にも困り、誰とも口をきかない日も珍しくなかった。さすがに大人になってからはいじめを受けなくなったが、人から嫌われる特性は変わっていない。もちろん容姿も悪い。かつ、年齢を経ている。
そういう人間がYoutuberになるのをためらっても別におかしくはないだろう。それはなんというか、僕にとっては大勢の人から石を投げられる道に見えて仕方がないのだ。
では僕はどうすればいいのか?
今のところはよく分からない。小説以外にも手を伸ばそうと思い、ボイスドラマの動画を作ったりもした。しかしそれは哀れなほど再生されない。
ともかく僕は、自分が正道を歩んでいないことだけは自覚しておこうと思う。僕が進んでいるのはいばらの道だ。しないでもいい苦労をしている。