「小説の新人賞への応募者が多すぎて審査のコストがかかるというなら、AIに小説の審査をやらせてみてはどうか?」と提案している人を僕はツイッターで見かけた。そこで僕はもしAIに小説の審査をやらせたらどういうことが起きるかを想像してみた。
十中八九、応募者は審査をするAIやプロンプトを事前に手に入れようとするだろう。これは当たり前のことだ。誰だって自作を一次審査で落選させたくはない。賞を得るために応募をするのだから。彼らはAIに原稿を読ませて高得点が出ることを確認してから出版社に原稿を提出しようと考えるだろう。高得点が出ないなら出るようになるまで修正をくりかえす。面倒くさくなってきたらAIに原稿を書かせようとする怠け者も中にはいるに違いない。
僕の想像はこんなところである。ところで仮にこういう事態が出来したら、あなたはどう思うだろうか?
きっと僕は心底くだらないと思うだろう。AIに読ませるために原稿を書いたり調整したりするのは実にあほくさい。しかしあなたはこの工程を避けられると思うだろうか? ライバルはAIに適応する調整をやってくるかもしれないのだ。それを知った上で「自分はそんなことはしない」と平然と言ってのけられるだろうか?
もちろん、こうした想像はすべて無意味かもしれない。仮に出版社が審査にAIを用いるとして、同じAIを応募者が手に入れられるとは限らないのだから。ただ、僕は最悪の場合の想像をしてみたに過ぎない。