六つの塔

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六塔掌月のブログ

タグ「村上春樹」の記事

全49件

2026年

  1. 村上春樹は答えを示している

    村上春樹の書く小説に対して多くの人々が次のような感覚を抱いている。すなわち作者が物事を明言せず、結論を書かずにぼんやりとした形のまま話を置いている、と彼らは思っている。

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2025年

  1. 『レキシントンの幽霊』を読む

    村上春樹の『レキシントンの幽霊』という短編を再読した。それについて書く。『レキシントンの幽霊』はかなり面白い小説だ。ただ、『武蔵境のありくい』や『かえるくん、東京を救う』のように鋭いテーマやメッセージといったものは何もない作品である。

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  2. 『武蔵境のありくい』を読む

    村上春樹の『夏帆』と『武蔵境のありくい』を読んだ。それについて書く。『夏帆』は『武蔵境のありくい』の開始点を書いただけの短い作品なので、割とそれ単体の面白さはどうでもいい。

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2024年

  1. 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む2

    あらためて村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を解説する。この小説は読者がすでにヘミングウェイの『日はまた昇る』と『武器よさらば』を読み終えていることを想定している。

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  2. カフカ的状況を解決する

    カフカ的状況、というものがある。カフカ作の小説「変身」や「城」に出てくる、主人公が不可思議に行き詰まりを体験している状況だ。

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2023年

  1. 『スプートニクの恋人』を読む

    村上春樹の『スプートニクの恋人』を二回読んだ。とても良い小説だと思った。それについて書く。まず確認しておきたいのは、この小説は構造の読解がむずかしいということである。

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  2. 『国境の南、太陽の西』を読む

    村上春樹の小説にくりかえし現れるテーマとして、完璧にくっついている一組の男女というものがある。たとえば『ノルウェイの森』のキズキと直子がそうである。

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  3. 『街とその不確かな壁』を読む

    村上春樹の『街とその不確かな壁』について書く。この本は別段面白くはないし感動的でもない。文章そのものにもこれといった刺激や独特の味はないから、読者としては最初から最後まで同じ味のコース料理を食べさせられているような気持ちになる。

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  4. 『1Q84』を読む4: 卵型の比喩

    リトル・ピープルに対抗するもの。それこそが個人の願いである。自分固有の願いを持ち、育て、また自覚すること。それを守り切り、かなえること。

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  5. 『1Q84』を読む3: リトル・ピープルの正体

    前回の記事で、見えない力が作用して、作用される側が力を行使するという構造について言及した。これはリトル・ピープルについても同じことが言える。

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  6. 『1Q84』を読む

    あらためて村上春樹の『1Q84』を読み解いていく。本稿は読み解きをおこなった記事の目次である。

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  7. 『1Q84』を読む2: 海の直喩と月の隠喩

    『1Q84』には海を軸にした直喩が頻出する。次に一覧を掲げたので確認していこう。ページ数は文庫版を参照している。1Q84年の世界には二つの月が空に架かっている。

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  8. 村上春樹の小説のどこがいいのかと聞かれたら

    僕は今まで答えるのに困る問いがあった。村上春樹の小説をまったく読んだことがない人から「彼の作品ってなにがいいの?」と尋ねられた場合に、どう答えればいいか分からなかったのだ。

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  9. 『1Q84』を読む5: 『城』のアンサーとしての『1Q84』

    カフカの『城』については以前解説した。『城』が抱える本質的な問題に村上春樹の『1Q84』は答えていると思うので、今回はそれについて説明する。

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2022年

  1. 『ドライブ・マイ・カー』を読む

    村上春樹の『女のいない男たち』の全体については、すでに以前の記事で説明した。本稿では、最初の短編『ドライブ・マイ・カー』の一部分をとりあげて説明する。

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  2. ニヒリズムと嘘

    三島由紀夫はニヒリズムを極めた作家だ。その考えの要諦は次である。村上春樹はこのニヒリズムの克服を目指した作家である。その考えの要諦は次である。

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  3. 入れ子構造とくりかえし

    物語を入れ子構造にして、入れ子の外側と内側でそれぞれ同じ構造の物語を語ると、その作品は大きな効果を得る。その種の作品として次の三つが挙げられる。

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  4. 『女のいない男たち』を読む

    村上春樹の『女のいない男たち』について書く。この本は短編集だが、互いに関連のある話が並んでいる。短編は明確な狙いのもとに順番が定められており、一本目の『ドライブマイカー』で穏やかなスタートを切って、五本目の『木野』でクライマックスを迎える。

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  5. 『外套』を読む

    ゴーゴリの短編小説『外套』を岩波文庫の平井肇訳で読んだので、それについて書く。この小説は基本的にはリアリズムで書かれている。

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2021年

  1. 『納屋を焼く』を読む

    村上春樹の短編『納屋を焼く』について考察する。普通に読むと、納屋を焼いたことが原因となって「彼女」が失われたように読者には思われる。

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  2. 村上春樹の文体の最大の特徴

    『ノルウェイの森』以降の村上春樹の文体の最大の特徴は、文末に「である」または「であった」を置くことを避ける点にある。「である」という断定は父性的である。

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  3. 鉄道について考える

    僕はVtuberの文野環ちゃんが大好きだ。そして文野環ちゃんは鉄道が大好きだ。それで僕も最近鉄道というものに興味を持ち始めた。

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  4. 『1Q84』を読む1: 繰り返される「ヤナーチェック」

    『1Q84』の最初の青豆の章には、文庫版では24ページの中に「ヤナーチェック」という固有名詞が13回も登場する。この繰り返しについて本記事では解説をおこなう。

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  5. 村上春樹の『ウィズ・ザ・ビートルズ』について

    村上春樹の短編『ウィズ・ザ・ビートルズ』は、内容が優れていることはもちろんだが、何より見るべきなのはその文体である。それは読みやすさというものに全てを懸けた文章だ。

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  6. 村上春樹の文章の特長

    村上春樹の文章の特長について思う所を述べる。この記事は村上春樹を読んだことがない人でも読めるように書かれている。村上は作品のテーマと合致した文章のリズムを作ることが上手い作家である。

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2020年

  1. 『風の歌を聴け』を読む

    村上春樹の『風の歌を聴け』について書く。本書は次のような文学論から始まっている。「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

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  2. 「分からない」から「分かる」へ、「分かる」から「分からない」へ

    本記事では『ノルウェイの森』から『騎士団長殺し』までの、村上春樹の「分かる」ということへの姿勢の変化について語る。『ノルウェイの森』と『ねじまき鳥クロニクル』はセットの作品である。

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  3. 世界で最も偉大な小説と二番目に偉大な小説

    世界で最も偉大な小説はセルバンテスの『ドン・キホーテ』である。特にその中の短編『愚かな物好きの話』がそうだ。セルバンテスはそこで小説におけるもっとも基本的なテクニックを構築し、誰にでもわかる形で明らかにしてみせた。

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2019年

  1. 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む

    『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』はタイトルに「ハードボイルド」という言葉を含んでいる。本書中にヘミングウェイという言葉が出てくることを考慮すると、これはおそらくヘミングウェイの文学的スタイルを指した言葉だろう。

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  2. 村上春樹流の死と復活

    『文學界』の2018年7月号と2019年8月号に掲載された村上春樹の短編『チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ』と『ウィズ・ザ・ビートルズ』について考察する。

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2018年

  1. 『ノルウェイの森』を読む

    本記事では村上春樹の『ノルウェイの森』を読み解いていく。引用時に示したページ数は講談社の文庫版にもとづいている。まずはビートルズの曲について確認していこう。

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2017年

  1. 『海辺のカフカ』読解メモ・下巻

    別記事からの続き。「あなたは僕のお母さんなんですか?」、僕はやっとそう尋ねる。 「その答えはあなたにはもうわかっているはずよ」と佐伯さんは言う。

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  2. 『海辺のカフカ』読解メモ・上巻

    以前『海辺のカフカ』を読んだ時にメタファーについて説明する記事を書いた。そのまま一回しか読まずに置いていたので、最近再読を初めた。

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  3. 非対称な一対の存在

    『1Q84』を読んでいてつくづく思うのは、この作品は論理の構築物であるということだ。これほど理路整然としたパズルも他にない。

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  4. 冒頭に置かれた矛盾

    冒頭に矛盾した表現を置いている小説は数多い。それらはしばしば小説のテーマと関わりがあり、新しい作品世界を立ち上げるための起爆力にもなっている。

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  5. 『騎士団長殺し』第1部・2部の概観

    この記事では村上春樹の『騎士団長殺し』の第1部・2部について、一読して気がついたことを記載している。つっこんだ考察はおこなっていない。

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  6. 指の多義性

    本稿では『多崎つくる』について、三つの項目を書いた。なおこれまでの記事はこちら。『多崎つくる』の作中では、自己との解離、分裂、あるいは二重性という現象について繰り返し言及がなされている。

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  7. 因果関係というテーマ

    本稿はこちらの記事から続いている。『多崎つくる』の主人公に与えられる問いは「友人に絶縁された理由は何か」というものだ。これは因果関係を把握するという問題に等しく、この種の問題意識が本作のあちこちに登場しているので見ていくことにしよう。

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  8. 影としての作品

    本稿では『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が『1Q84』のペアとして存在している作品であることをまず述べる。その後べつの記事で、この事実を手がかりにして両作に共通する因果関係というテーマを読み解いていく。

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  9. 分裂と統合

    『1Q84』には同じ名詞や字句のくりかえしが作中に頻繁に現れる。本稿ではその表現の持つ文学的な意味を探究する。次の一文は、天吾が『空気さなぎ』の改稿許可を得るために戎野先生に初めて会いに行く場面から引用したものである。

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  10. 『1Q84』の隠喩表現に関する補足

    今までこのブログは二回に渡って『1Q84』の解説をおこなってきた。本稿ではこれまで議論してきた『1Q84』の隠喩表現について整理をおこない、また補完をおこなう。

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  11. 『海辺のカフカ』におけるメタファーの性質

    『海辺のカフカ』には「メタファー」という言葉が頻繁に登場するのだが、これは本作を読み解く上での鍵となっている。そこで本稿ではその意味や性質について整理してみた。

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2016年

  1. 『変身』と『かえるくん、東京を救う』

    フランツ・カフカの『変身』と村上春樹の『かえるくん、東京を救う』について書く。村上春樹の短編は『変身』の優れた解説になっている。

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  2. 『イエスタデイ』を読む

    村上春樹の『イエスタデイ』は面白い短編小説だ。『女のいない男たち』という本の中で一番意味不明なのがこの作品なのだが、なぜかそこに心が惹かれる。

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  3. 怒りについて

    次の文章は『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』から。主人公・多崎つくるが夢を見ている。その音楽を無心に演奏しながら、彼の身体は夏の午後の雷光のような霊感に、鋭く刺し貫かれた。

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  4. 逆方向の力

    本稿では前回(リンク)に引き続き『1Q84』について議論をする。そのために次のような形で先行する文学作品が『1Q84』に影響をおよぼしていることを説明する。

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  5. 卵を温めることについて書いた小説

    小説『1Q84』の中核を成しているのは卵型の暗喩である。同作には容器や部屋にまつわる表現が多様な形をとって随所にあらわれるが、それらはいずれも「卵を温めてヒナを孵す」という行為のヴァリエーションになっている。

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  6. 『象の消滅』を読む

    村上春樹の『象の消滅』について書く。『象の消滅』は大半の文章が象の説明に割かれている。『僕』と『彼女』の話は長さとしてはわずかであり、象の消滅の持つ意味を再確認する役割を担っている。

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  7. 『パン屋再襲撃』を読む

    村上春樹の『パン屋再襲撃』について書く。『パン屋再襲撃』を読み解く鍵は、一度目の襲撃の時に主人公がパン屋からもちかけられた取引にある。

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